約 1,738,191 件
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/21.html
元スレ:とあるSSの禁書目録 Part3 SS 3-7(未編集) 3-7 とある嘘14巻 SS 3-18(未編集) 1-641 とある授業の社会見学 第二章(2) SS 3-37(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 Prologue(予告) SS 3-44(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 第一話(1) SS 3-52(未編集) 1-641 とある九月の重陽演義 SS 3-59(未編集) 3-59 とある九月の振替休日 SS3-68(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 第二話(2) SS3-87(未編集) 1-641 とある九月の中秋名月 SS3-91(未編集) とある乙女の恋愛革命 1 SS3-97(未編集) 3-91 とある乙女の恋愛革命 2 SS3-105(未編集) 3-91 とある乙女の恋愛革命 3 SS3-109(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 第三話 SS3-115(未編集) 3-91 とある乙女の恋愛革命 4 SS3-117(未編集) 1-169 とある喫茶店の一日 〜Mad_Tea_Party〜 SS3-129(未編集) 3-91 とある乙女の恋愛革命 5 SS3-139(未編集) 3-91 とある乙女の恋愛革命 後日談 SS3-153(未編集) 3-91 とある狂気の最終報告 SS3-158(未編集) とある2人の平和な時間 SS3-162(未編集) 3-91 とある教師の進路相談 1 SS3-166(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 (3) SS3-170(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第五話『対人指向性散弾地雷の日常』have a break 1 SS3-180(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第五話 2 SS3-190(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第五話 3 SS3-201(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第一章 give me a break〜じわじわと侵食しながら〜 SS3-212(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話 第一章 2 SS3-220(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話 第一章 2 SS3-236(未編集) 3-91 とある教師の進路相談 2 SS3-241(未編集) 3-91 とある教師の進路相談 3 SS3-252(未編集) 高機動幻想殺し(嘘予告) —おまけつき— SS3-268(未編集) 序章 SS3-273(未編集) とある学園の前日談録(プロローグ) SS3-282(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 (4) SS3-293(未編集) 3-91 とある世界の三重記号 第一章-1 SS3-301(未編集) 3-91 とある世界の三重記号 第一章-2 SS3-306(未編集) 2-785 とある師走の学生事情 SS3-311(未編集) 3-91 とある世界の三重記号 第二章 SS3-325(未編集) 替え歌『秘密』ver.御琴(シンフォニック=レイン) SS3-327(未編集) 替え歌 天罰!エンジェルラビィVer.美琴 SS3-329(未編集) 1-641 とある睦月の人日宴席 SS3-339(未編集) 浜面with滝壺 SS3-348(未編集) 替え歌『恋のミサカ伝説』 SS3-349(未編集) 替え歌『フラグでしょでしょ』 SS3-355(未編集) 3-273 とある旗男 SS3-391(未編集) 3-391 桃の節句と黒一点 ‐Girls’_Party‐ SS3-407(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 (5) SS3-438(未編集) とある第三位の新婚旅行 序章-1 SS3-442(未編集) 3-438 とある第三位の新婚旅行 序章-2 SS3-450(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 ネコ科の魔術師は愛に生きる 1 SS3-460(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 2 SS3-470(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 3 SS3-482(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 4 SS3-491(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 5 SS3-501(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 6 SS3-511(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第二章 7 SS3-536(未編集) 3-438 とある第三位の新婚旅行 序章-3 SS3-553(未編集) とある美琴の出張看護 SS3-559(未編集) 序章 悩める乙女の事情 be iovesick. SS3-563(未編集) 3-559 第一章 突然の訪来者 change one s school. 1 SS3-569(未編集) 3-559 第一章 突然の訪来者 change one s school. 2 SS3-579(未編集) 3-559 第一章 突然の訪来者 change one s school. 3 SS3-612(未編集) 1-641 『魔砲少女リリカル・カナミンA`s』 第12話 嘘予告 SS3-626(未編集) 1-641 『魔砲少女リリカル・カナミンA`s』 第12話 嘘予告 SS3-628(未編集) 3-612 『魔砲少女リリカル・カナミンA`s』 第12話「夜の終わり、旅の終わり」 SS3-657(未編集) とある脳の複数回路(プライラルサーキット) 予告編 SS3-669(未編集) とある少年の(不本意な)結婚願望 SS3-677(未編集) 3-669 とある少年の結婚願望 SS3-705(未編集) 3-37 とある忘却の再認識 (6) SS3-720(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第三章 空間移動は決別を描く 1 SS3-735(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第三章 2 SS3-747(未編集) 2-233 とある風紀の活動日誌 第六話『破滅狂走曲 第惨番 破綻調』 第三章 3 SS3-787(未編集) 【コトバのカケラ〜Christmas Present〜】 SS3-801(未編集) とある魔術の聖杯戦争 予告 SS3-803(未編集) とある妄想の世界 SS3-808(未編集) 3-801 とある魔術の聖杯戦争 序章 SS3-813(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 序章 SS3-821(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 幕間 SS3-832(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章〜錬金術師と魔法使いなディープブラッド〜 SS3-840(未編集) 3-802 番外編 とあるシスターの長い一日。 SS3-845(未編集) 3-801 とある魔術の聖杯戦争 序章(2) SS3-848(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(2) SS3-852(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(3) SS3-857(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 1 SS3-866(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(4) SS3-870(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 2 SS3-876(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(5) SS3-880(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(6) SS3-881(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 3 SS3-895(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(7) SS3-897(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 4 SS3-905(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(8) SS3-906(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 5 SS3-910(未編集) 3-802 Weed「姫神編」 SS3-912(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 6 SS3-918(未編集) 3-802 Weed「五和編」 SS3-919(未編集) 3-854 並行世界(リアルワールド) 7 SS3-928(未編集) 3-802 Weed「御坂編」 SS3-930(未編集) 3-802 Weed「ミサカ編」 SS3-938(未編集) 3-854 平行世界(リアルワールド) 2日目(1) SS3-942(未編集) 3-802 Weed「白井編」 SS3-945(未編集) 3-854 平行世界(リアルワールド) 2日目(2) SS3-953(未編集) 3-802 Weed「風斬編」 SS3-957(未編集) 3-802 Weed「小萌編」 SS3-962(未編集) 3-962 とある悪魔の禁書目録 SS3-964(未編集) 3-802 Weed「バードウェイ編」 SS3-967(未編集) 3-854 平行世界(リアルワールド) 2日目(3) SS3-977(未編集) 3-802 Weed「神裂編」 SS3-978(未編集) 3-854 平行世界(リアルワールド) 2日目(4) SS3-983(未編集) 3-854 常盤台嬢の恋愛競争(旧版) SS3-989(未編集) 3-802 Weed「禁書編」 SS3-991(未編集) 3-802 とある少年の失くした日常。 第一章(9)
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/93.html
Date 2006/02/14(Tue) Author SS1-89 1.「まず最初に、その甘い幻想をぶち殺す」 インデックス「ばれんたいん、って。もしかして、聖バレンチヌスの祝日のこと?」 上条「日本だと女が好きな男にチョコを送る、って習慣があるんだぞ」 インデックス「なんで?」 上条「製菓会社の陰謀だろ?」 2.「インデックスの場合」 インデックス「(目をキラキラさせて)チョコ? もしかしてくれるの?」 上条(感謝の気持ちでも義理でもいいから俺に送ろうと思わないのでせう?) 3.「御坂美琴の場合」 美琴「ほら、これでも食べてなさい」 (と、100円チョコを手渡す) 上条「お情けで配る義理チョコの定番、って感じだな」 4.「神裂火織の場合」 神裂「上条当麻。その、この程度では恩を返すことにもならないと思いますが……」 (おずおずと高級メーカーのチョコを取り出して) 上条「いや、逆にそこまでされると受け取りにくいというかなんというか」 90 名前:寸劇目録・バレンタインデー編2 投稿日:2006/02/14(火) 00 43 58 [ 7XUWNN12 ] 2,5.「インデックスの場合・裏側」 ——上条の帰宅前。 インデックス「とうまにあげるチョコ、まちがって食べちゃったかも——!」 3,5.「御坂美琴の場合・裏側」 美琴「ああー、なんで私ってこうなんだろ……?」 (手作りの本命チョコを胸に抱いて落ち込む) 4,5.「神裂火織の場合・裏側」 上条「……」 神裂「て、店員に勧められるままに購入したのですが……」 (両者、ハート型にLOVEの文字入りチョコを目にして気まずい雰囲気) 番外.「■■■■の場合」 ■■「話しかけても気付いてさえもらえないのだけど。おかしい。ナニかの作為を感じる」
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/197.html
Date 2010/02/07(Sun) Author SS 5-100 「とある少女の白馬の騎士(ホワイトナイト)その1」 (どうして、どうしてこんなことに…………) そう後悔する少女の顔色は蒼白であった。 そして呼吸をすることさえ難しいほど身体は強張り身動きするのもままならない。 それなのにガチガチと鳴る奥歯とガタガタと震える膝は収まるどころか先ほどより一層 激しくなっている。 (助けて、助けて、助けて、助けて、助けて……………………) 心の中でいくら叫んでも無駄なのは判っている。 いっそ恥も外聞も棄てて大声で「キャ───────!」と叫んだ方がまだマシかもしれない。 しかし少女は今、声の出し方すら判らないほどひどく混乱していた。 本当なら今頃他校の友人達と待ち合わせのショッピングモールでおしゃべりをしているハズだった。 (それなのにどうして私はこんな路地裏の袋小路にいるの?) 少女は5分前の自分の軽率な行為を後悔した。 そもそもレポートの資料集めに手間取り、繁華街に向かうバスに乗り遅れたのがいけなかった。 最寄りのバス停に降り立ったのは待ち合わせ時刻の僅か3分前であった。 そこから集合場所のショッピングモールまでは直線距離でわずか30mであるが、それは 目の前のビルを飛び越えることができたらの話である。 テレポーターでもない少女がそこに行くにはこのブロックをぐるりと回り込むしかなく、 少女の足では待ち合わせ時刻にはとても間に合いそうになかった。 (どうしましょう。これでは完全に遅刻ですわ) 少女がそう思った時、普段なら気にも留めない細い路地が目に入った。 ビルに挟まれた路地は少し薄暗く3人が横になるのが精一杯の道幅しかない。 普段の少女であれば足を踏み入れることなど絶対になかっただろう。 路地の入り口まで来たものの少し躊躇っていた少女であったが、ふと路地の奥から聞こえて きた車の行き交うかすかな騒音が少女の背中を押してしまった。 (きっとこの路地は向こうの大通りまで続いているのですわ。 ちょっと薄暗いですけど30mも無いはずですから早足で駆け抜ければ大丈夫ですわ。 良かった。これで約束の時間に間に合いますわ) そして少女は早足で路地に入っていった。 久しぶりに会う友人達との楽しい一時が待っているショッピングモールに向けて。 しかし、5分経っても少女はその路地から出てこなかった。 路地に入った少女が10m進むとT字路に突き当たった。 左右を見渡すと右に曲がった路地の10mほど先にある横道が少し明るくなっていた。 薄暗い路地の中で少し不安になっていた少女はようやく一安心し横道に向けて早足で 駆けだした。 しかし横道まであと1mというところで少女は急に立ち止まってしまう。 少女が曲がるべき横道から突然二つの人影が飛び出してきたからだ。 10代後半と思われる男達の服装と目つきは彼らの粗暴さを端的に表していた。 そして世間の事情に疎いその少女にもすぐに判ってしまった。 自分がどれだけ軽率な行動をしてしまったのかを。 「あの、すみません。そこを通して頂けますか?」 少女は男達と目を合わせずにそう言うと汗がにじむ掌をギュッと握りしめ再び歩き始めた。 意外にも少女は男達に邪魔されることも冷やかされることもなく二人の間をすり抜けることができた。 少女がホッと胸を撫で下ろした瞬間、背後の男がいきなり少女の肩をガシッと掴んできた。 「ひッ!」 緊張を解いた瞬間に不意を突かれた少女は思わず小さな悲鳴漏らしてしまった。 その声を聞いた男達は顔を見合わせると粗暴な顔に下卑た薄ら笑いを浮かべるのだった。 「とある少女の白馬の騎士(ホワイトナイト)その2」 「よお。ねえちゃん。その制服。あんた常盤台なんだろ。 ってことは能力者なんだよなあ。しかもレベル3以上の。 いくらレベル3でもこんな所を一人で歩くなんて物騒だぜ。 最近この辺りじゃちょくちょくスキルアウトが『能力者狩り』してるらしいぜ。 気ぃ付けな。特にねえちゃんみたいに可愛い女の子はよお」 その声に含まれる下卑た響きは少女を一層強張らせた。 一瞬でも緊張を解いたのがいけなかった。 恐怖が少女の心臓を鷲掴みにし少女から冷静さを奪っていった。 それでも少女は最後の勇気を振り絞り動揺を悟られないように平静を装ってみせた。 「そ、そうですか。これからは気を付けます。ではごきげんよう」 「これからは気を付けるだなんて。 ひゃっひゃっひゃっ!ねえちゃん、悠長なこと言ってるねえ」 「……………………」 「ところで能力をコントロールするのも大変なんだって? 動揺して演算に集中できなくなるだけで能力が使えなくなったりするんだってなあ?」 「そ、その手を放して頂けますか?」 「ねえちゃんが能力を使って引き剥がしたらどうだい? 俺達はたったの4人だぜ。しかも全員正真正銘のレベル0なんだぜ」 少女はその時になって自分が駆け抜けようとしている横道にも2人の男が居て道を塞いで いることに気付いた。 先ほど男達が何もしなかったのはみすみす罠に入りにきた獲物を逃さないためだったのだ。 そのことを理解した少女は目の前が真っ暗になった。 彼らは自分たちを『能力者狩り』をしているスキルアウトだとほのめかしている。 4人の男達に囲まれもはや振り絞る勇気すらなくなった少女の背中を冷たい汗が一筋流れ落ちた。 そして少女は男達に塞がれていない目の前の通路へ駆けだしてしまった。 その先が袋小路だとも知らずに。 目の前に壁があった。右も左も行き止まりだ。その事実が少女の心臓を締め付けた。 少女が後ろを振り返るとさっきの男達がゆっくり歩いて来るのが見える。 (落ち着くのよ。落ち着けば能力だって使えるのですから) しかしそう思えば思うほど思考はますます空回りしてしまう。 まともに呼吸すらできないほど混乱してしまった少女は能力どころか通常の思考力さえ失っていた。 彼らのニヤついた顔はきっと少女が混乱して能力を使えないことを見抜いたからだろう。 少女を見る目は能力への畏怖をもった目から獲物を見下すハイエナの目に変わっていた。 その目を見た瞬間、少女は自分が今からこの男達に何をされるのかが判ってしまった。 同時に吐き気を催すほどの嫌悪感が身体の奥からこみ上げてくる。 (どうして、どうしてこんなことに…………) そう後悔する少女の顔色は蒼白であった。 そして呼吸をすることさえ難しいほど身体は強張り身動きするのもままならない。 それなのにガチガチと鳴る奥歯とガタガタと震える膝は一向に収まるどころか先ほどより一層激しくなっている。 (助けて、助けて、助けて、助けて、助けて……………………) 震える膝はとうとう少女自身すら支えることができなくなってしまった。 そして少女のできることは両手で顔を隠しこの酷い現実から目を逸らすことだけになった。 そんなことしても何の役にも立たないことは判っている。 でも少女にできることはもはや祈ることしかなかった。 (お願い。来ないで、来ないで、来ないで、来ないで、来ないで……………………) しかし必死に祈る少女の願いも空しくとうとうその左肩に男の右手がかかったのだった。 「とある少女の白馬の騎士(ホワイトナイト)その3」 「おい!大丈夫か!」 自分の望まない現実から目を逸らそうと必死だった少女はその問い掛けが自分に向けられ たものであることになかなか気付かなかった。 「おい!しっかりしろ!」 その言葉に少女はようやく顔を覆っていた両手を外し固く瞑っていたまぶたを少しだけ 開くことができた。 少女の目に映ったのは先ほどの粗暴な男達とは違う高校生らしき制服を着た少年だった。 そして心配そうに自分をのぞき込んでいるツンツンした短い黒髪の少年の後ろに4人の男 達が倒れているのが見えた。 「俺の言葉がわかるか!おい」 少女は少年に肩を強く揺すられてようやく自分は助かったのだと知った。 緊張の糸が切れた瞬間、両目から涙が溢れ出した少女は声にならない声をあげて泣き出してしまった。 「わっ!悪りぃ!ちょっと強く揺すり過ぎちまったか?」 ヒックヒックと泣き続ける少女はオロオロしだした少年に(貴方のせいではありません) と伝えたかった。 しかし嗚咽が止まらない少女はわずかに首を横に振ることしかできなかった。 少女の意図が伝わったのか少年は少し安心したようだ。 そして優しく少女に問いかける。 「立てるか?」 そう言われた少女は立ち上がろうとしたが弛緩した脚は全く動いてくれなかった。 仕方がないので首を大きく横に振った。 「そっか。じゃあ、俺が抱えて行くけど、それでも良いか?」 少し戸惑った少女だが今度はコクリと頷いた。 すると少年は少女を優しく抱きかかえる。俗に言うお姫様抱っこだ。 一方抱きかかえられた少女はその頬を朱色に染めていく。 (ど、どうしましょう。 お父親さま以外の男性に初めて抱きかかえられてしまいました………… でも、どうしてでしょう? この方の腕の中にいるととても安らいだ気持ちになれます。 きっと私は生涯忘れないでしょう。この腕の力強さと暖かさは…………) 少女は少年に抱きかかえられながらそんな風にボンヤリと考えていた。 大通りが近づき路地が明るくなってくるとようやく少年の顔をはっきり見ることができた。 すると少女は先ほどとは違った意味で心臓の鼓動が早くなるのを感じた。 身体の芯が熱く締め付けられるのに、それは何故だかとても心地良かった。 (出会ってまだ2分も経っていないのに私には判ります。 この出会いはきっと私にとって一生忘れられない大切な思い出になるはず。 ひょっとして…………これが『運命の出会い』というものなのでしょうか? …………そうですわ。きっとそうに違いありませんわ。 赤い糸で結ばれた私達はこれをきっかけにおつきあいを始めるのですわ。 どうしましょう。まだお名前もお伺いしていないのに………… そして私の16歳の誕生日にプロポーズをされるのですわ。 そして顔を赤らめながら頷いた私を優しく抱き寄せてキスしてくださいますの。 そして6月の晴れ渡った日曜日に海を見下ろすチャペルでウェディン…………) 僅か20秒の間に『白馬の王子様を夢見る思春期の少女』特有の空想にどっぷり浸かった 少女であったが、その空想は少年の声に断ち切られてしまった。 「さあ、大通りに着いたぜ。ここまで来たらもう安心だ。どうだ?自分で歩けそうか?」 空想から帰還した少女の目の前には青い海ではなく先ほどの大通りが広がっていた。 少女はもう少しこのままでいたかった。 あの薄暗かった路地でさえ今ではもっと長ければ良かったのにとも思ってしまう。 少女は少し名残惜しそうに彼に頷いて見せた。 自分の脚で立った少女に少年は優しく微笑みかけた。 「どうやら大丈夫みたいだな。じゃあな。これからは気を付けるんだぞ」 (えっ、えーっ、もう行ってしまわれるのですか? まだ貴方のお名前さえお伺いしていないのに…………って、 …………………………………………あれ? それどころかひょっとして私って一言のお礼すら申し上げていないんじゃ。 ま、待って、……………………)待って下さい!」 少女はやっとの思いで一言だけ絞り出すことができた。 ただようやく絞り出したその声は少しうわずっていた。 少女はそのことが少し恥ずかしかったが、少女の呼びかけに応えて少年が振り返ってくれ たことがそれ以上に嬉しかった。 「とある少女の白馬の騎士(ホワイトナイト)その4」 「ん?どうかしたのか?」 「あ、あの、あのー、…………あ、ありがとうございました」 「いいよ。別に礼なんて。じゃあな」 「いえ、あのっ、そのー、お待ちになって下さい」 少女は立ち去ろうとする男性を追いかけようとしたが、脚がもつれてよろめいてしまう。 前のめりに傾く体勢を立て直そうとしたが肝心の脚がいうことを聞いてくれない。 そうしている内に目の前の地面がどんどん近づいてくる。 地面に顔を打ち付け無様に転がる数秒後の自分の姿を想像し少女は死ぬ程恥ずかしくなった。 しかし少女の顔がそれ以上アスファルトに近づくことはなかった。 少年がとっさに差し出した右腕が少女の身体を下から支えたため、少女は顔面強打という 不幸な結末を回避することができた。 再び少年に助けられたことを知り少女はホッと胸を撫で下ろしたが、その時になって少年 が硬直したまま先ほどから身動き一つしていないことに気付く。 不振に思った少女が見上げた少年の顔はなぜか真っ赤に染まっていた。 そして気付く。偶然にも自分の左胸が少年の右掌の真上に落ちていたことを。 そう、少年は右掌の中にすっぽり収まった少女の膨らみに気付いていた。 しかし急に手を離して少女が転倒すれば非人間のレッテルを、逆に少女を起こそうとして 右手が少しでも動けばセクハラ大魔王のレッテルを貼られることを過去の経験から知っていた。 だから身動きすることができなかったのだ。 もっとも発育途上とはいえ少女の胸の膨らみは制服越しにもはっきりと感じられ、その 柔らかさに少年の思考がパンク寸前だったことも大きな一因であったのも事実だ。 顔を真っ赤にして少年から身を離した少女は自分の左胸に自分の左手をあててみた。 掌には心臓の高鳴る鼓動だけでなくまだ胸に残る少年の掌の温もりも感じることができる。 少女は恥ずかしさを感じながらも胸を触られたことを嫌だと感じない自分が不思議だった。 そんな自分が恥ずかしくて少年の顔を直視できなくなった少女は真っ赤な顔を伏せてしまった。 一方、少年はそれを自分のセクハラのせいだと思いこんだのだろう。 すぐに少女に両手を合わせて謝った。 「ゴメン。嫌な思いさせちまって。でも悪気はなかったんだ。信じてくれ」 謝る少年の姿は少女を逆に困惑させてしまった。 焦った少女はつい心の中で思っていたことを口走ってしまう。 「いっ、嫌じゃありません!」 「……………………へっ?」 今何を言われたのか理解できなかった少年と自分が何を言ってしまったのか判らなかった 少女は互いに言葉を詰まらせてしまった。 そして少女は赤い顔をさらに真っ赤に染め上げていく。 「あっ!い、いえ、そうではなくて、えーっと……………………そう! 今のはただの事故です。貴方が気に病むことなど何もありませんわ」 「そう言って貰えると助かる。ゴメン」 「それより、こちらこそありがとうございました。二度も助けて頂いて」 「そんなことはいいって。それよりさっきはどうしたんだ?」 「あっ、脚がもつれてしまいまして。 そのせいでご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありません」 「そっか。……………………そうだったな。 あんな怖い目にあったばかりだもんな。 そんな女の子をすぐに放り出そうとした俺が非道かったな。ゴメン」 「そんな、貴方は少しも悪くありません。 ………………………………………… そのっ、も、もし、…………もし、よろしければもう少し一緒に居て頂けませんか? ご迷惑かもしれませんがお願いします」 ペコリと頭を下げる少女の可愛らしい仕草に少年はニッコリ微笑んで応えた。 「とある少女の白馬の騎士(ホワイトナイト)その5」 「ああ、俺なんかで良いなら、おやすいご用だ。それじゃあ、そこのベンチに座ろうか?」 「はっ、はい!ありがとうございます」 ベンチに少年と並んで座る少女は時々少年の顔を見上げては頬を桜色に染めていく。 「あのー、わたくし常盤台中学1年の『益海清花(ますみさやか)』と申します。 先ほどは危ない所を助けて頂き、本当にありがとうございました」 「そんなことは気にしなくてもいいさ」 「いいえ!貴方が居られなかったら今頃私はどんな酷い目に遭っていたか………… 思い出すだけでも身体が震えだしそうな気がします」 そういうと少女は両手で自分の両肩を抱きしめた。 先ほどまでは少年と一緒にいられることが嬉しくて忘れていたが、もし少年が助けてくれ なければ今頃少女は心にも身体にも一生消えない傷を負っていたハズだ。 そのあり得た不幸な未来を想像すると本当に身体の震えが止まらなくなったのだ。 少年は突然震えだした少女を落ち着けようと左手を少女の左肩にそっとまわした。 少年の左手の温もりは芯まで冷えきっていた少女の身体と心を瞬く間に癒していく。 まるで魔法のように自分を癒してくれる少年を潤んだ瞳で見上げた少女はその瞳を閉じる と少年に寄り添うようにそっとしなだれかかったのだった。 少女の震えがようやく収まったことに気付き一安心した少年だったが、その状況がどこか ら見てもラブラブカップルにしか見えないことには全く気付いていなかった。 「そういえば、どうして貴方はあそこに居合わせたのですか?」 「偶然だよ。 実は半月程前からちょっとおっかない奴につきまとわれるようになっちゃってさ。 今日も追いかけてくるそいつを撒くためにあの路地へ逃げ込んだら男達に絡まれている 君を見かけたって訳さ」 「でも粗暴な殿方を4人も倒された貴方がお逃げになるだなんて、その方は一体何者なのですの?」 「ははっ、あはははは。 いやぁ、俺はそんなに強くないさ。3対1なら迷わず逃げだす程度だよ。 今日はたまたま4人とも俺に背中を向けていたからな。 少々卑怯だったけど後ろからガツンとやらせて貰ったのさ」 少年は簡単そうに言ったが、少女が改めて少年を見ると制服についた汚れやあちこちに できた擦り傷、そして少し赤く腫れている左頬がそう簡単ではなかったことを物語っている。 「あの、もしよろしければ貴方のお名前をお教え頂けますか?」 「ああ、そうか。まだ名乗ってなかったな。俺はかみ…………」 「あっ、いたいた!今日こそは逃がさないわよ!」 「げっ!ビリビリ。ごめん俺ちょっと急ぐから。じゃあな気を付けて帰るんだぞ!」 「あっ、ちょっと待って下さい。まだお名前を…………」 「逃がさないって言ってるでしょうがああああぁぁぁぁぁぁ!」 突然猛ダッシュをした少年を呼び止めようとした少女の声はそれより大きな怒声にかき 消されてしまった。 その声の主に視線を向けた瞬間、少女の前を眩い閃光と耳をつんざく轟音が駆け抜けた。 それは学園都市第3位、常盤台中学が誇るレベル5御坂美琴が繰り出した雷撃の槍であった。 少女はその迫力に目を白黒させる。 さらに少女を驚かせたのはその電撃の槍が直撃したはずの少年が何事もなかったかのよう に再び走り始めたことだ。 (御坂様の雷撃の槍を受ければ普通の人間はひとたまりもありませんわ。 それなのにあの方は右手の一振りで防いでしまうなんて…………す、素敵ですわ!) その少年とそれを追いかける御坂美琴が交差点を曲がった時、少女は少年の名前を聞き そびれたことに気が付いた。 (はあーっ、 結局あの方のお名前をお聞きすることはできませんでしたわ。どうしましょう? そうだ! あの方はどうやら御坂様とお知り合いのようでしたから明日思い切って御坂様にお尋ね することにしましょう) こうしてとある高校生が28本目のフラグを立てたそうです。 そのフラグ数が5桁に達するのはそれからわずか一ヶ月後のことであるが、それはまた別のお話。 そして御坂美琴の悩みの種が一つ増えるは翌日の話であった。
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/70.html
【本文】 1話(未編集) 2話(未編集) 3話(未編集) 4話(未編集) 5話(未編集) 6話(未編集) 7話(未編集) 8話(未編集) 【初出】 2006/04/29 禁書SS自作スレで連載開始。 【著者】 1-198 (トリップなし) 【あらすじ】 姫神秋沙が転校してきてから数日。 自分から馴染もうとしない姫神が気にかかる上条が彼女に話しかけようとした矢先、 「不幸にも」青髪ピアスに吹き飛ばされて姫神を押し倒してしまう。 その弾みで右手が服の上から姫神のケルト十字架に触れてしまい(含む胸)、幻想殺しが発動、「動く教会」を殺してしまう。 すわ吸血殺し発動か、と思われたが、何故か発動しない。 どうやら当麻の右手が触れている状態では吸血殺しは発動しないようだ。 インデックスが換えの「動く教会」を手配するまで、当麻は姫神から離れるわけにはいかなくなった。 さぁ二人の運命やいかに!!? 【解説】
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/186.html
Date 2010/01/13(Wed) Author 廃ビルの中に入ると、そこに集まっていた数人のスキルアウトが一方通行を見て乾上がったもの、睨みつけたもの、様々な反応を見せた。 「これはこれは『第一位』。何の用だ!」 「ちっ……先制攻撃か」 数瞬の後、スキルアウト達が鉄パイプや廃材を手に殴りかかり始めた。狭いビルの一室での戦闘。能力をフル稼働させればものの数秒でまさに瞬殺が可能なのだが、いくらバッテリー使用可能時間が延びたといえ、頼りにする程バカではない。 「舐めやがって!」 「…あれを使うぞ」 単調な攻撃を身軽に交わし、一方通行は狙いを探す。 「この力、『一方通行』に耐えられるか?」 しかし、急に攻撃する手を止めたスキルアウト達は懐からそれぞれ同じようなUSBメモリに似たものを取り出し、スイッチを押した。 『マスカレイド!』 首筋、腕、手首、一人一人違う場所にそれを差し、姿が変わった。 不気味な仮面を付け、黒いスーツ姿と変わり果てたのである。 (なンだ…?) 再開される攻撃。だが、先程と打って変わり、一撃の重さが増している。その証拠に、埃まみれの床に凹みが乱産されていく。 「っ、と…危ねェ…!」 砕けた床の破片が腹部に当たり、一方通行はバランスを崩してよろけてしまった。 「もらった!」 「…おらよ!」 右手の杖で、鉄パイプを防ぐ。 「そんなもの!」 「なンだと!?」 杖は一撃で粉砕されてしまった。鉄パイプの方の強度すげぇ、と思わないように。 「シャレになンねェぞ……」 「チェックメイトだ」 じわり、とスキルアウト達が距離を詰める。 一方通行の手には、一丁の銃と破壊された杖のグリップ部しか無い。 「……丁度良い機会だ。…おい三下共。その命、神に還しやがれ」 『レ・ディ・イー』 両腕を胸の前に出し、左の掌に杖のグリップだった、イクサナックルを打ち付け、そのイクサナックルから適合者と認識されたことを証明する電子コールが鳴り、一方通行の腰に専用ツール、イクサベルトが現れ、 「イクサ……爆現…!」 『フィ・ス・ト・オ・ン』 イクサナックルを装着し、金色の十字架と共に強化装甲服が形成されて一方通行は変身した。 「な、何だ!」 「ざわ…ざわ…!」 白を基調とし、聖職者の法衣に似たパワード・スーツ『仮面ライダーイクサ』は、同じく白の一方通行にはぴったりであった。 「くっ…怯むな! 相手は一人だ!!」 「うるせェ、黙ってろ」 今一度迫る相手に、一方通行はイクサのフェイスカバーを開き、その際に生まれた風圧で吹き飛ばす。 「イクサ…バースト・モード!」 起き上がったマスカレイドを蹴り飛ばし、背後から近寄るマスカレイドには専用銃、イクサカリバー・ガンモードを放ち迎撃する。 「…ったく、しゃらくせェなァ!」 ぞろぞろと迫るマスカレイドを前に、イクサカリバーのマガジン部を収納し、赤い刀身を出現させ、手にした鉄パイプと廃材を切り落とし、更に剣撃をお見舞いさせる。 「まずい!」 「逃げるぞ!」 「逃がさねェよ」 イクサベルト横から、七種ある中のひとつ、金色の電子キー・モジュールを『フエッスル』をベルトのフエッスル・リーダーに読み込ませる。 『イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ』 手にするイクサカリバーが光を纏い、燃え盛る太陽を背に、マスカレイドに斬りかかる。 「うわぁあああ!」 「つ…強い…」 「やめ…」 「まっ、待てぇぇ!」 「ぐわあぁああーっ!」 これこそまさにイクサの必殺技、『イクサ・ジャッジメント』。一方通行は初めてイクサを装着したのだが、それを見事に使いこなした。 「………、」 目的を忘れたわけではない。 戦闘の爪痕を残す部屋には、先程のメモリが体内から排出され、破壊されて破片が散乱し、強制排除された際の痛みでスキルアウト達は床に転がっている。その中から、資料にあったスキルアウトを見つけ出し、射殺 した。命乞いなどは聞かない。それだけ重大なことをしでかしてくれたのだから。 「クソったれが…」 今回の仕事で一方通行には不可解な点が残った。 ひとつはあのUSBメモリ。調べようと思ったが、どれも粉々に砕け散っていてそれどころでは無かった。 もうひとつは………、 「うおっまぶし」 仕事を終え、外に出てすぐに呟いた。 廃ビルの中は薄暗く、そこから出て来てすぐの日差しは眩しすぎて思わず目を細めてしまった。 「あー、杖どうすっかなァ……」 イクサナックルを仕込むのは実に大変だった。スペアを大量に用意しておくか、と一方通行は頭の中に留め、廃ビルの近くにあった自販機へと足を向けた。 ー糸冬われー
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/2.html
INDEX-SS-INDEX メニュー トップページ 更新履歴 wiki編集時の注意 禁書風SSの書き方 談話室 ご意見・ご要望 砂場 メインコンテンツ SSスレ 作者別 長編 中編 短編 小ネタ ログ保管庫 TSスレ ログ保管庫 デルタフォーススレ 上琴SSスレ ログ保管庫 リンク @wiki @wikiご利用ガイド 禁書板 とある魔術の禁書目録 index 別保管庫 禁書板SS保管庫 SSまとめ 最近作られたページ 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/11.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/14.html
ここに書き込めばwiki管理人が暇を見つけては検討するかもしれない。 失礼します。当該スレにて確認したいことがありますので、気づかれ次第レスくださると幸いです。 - 禁書板wikiスレ454 2010-02-16 22 50 54 更新して欲しいです……… - 名無しさん 2010-06-09 22 35 11 宜しければ、SSの主人公べつで検索できるようにしてほしいです。 - sk 2010-08-13 17 05 49 名前
https://w.atwiki.jp/indexssindex/pages/154.html
(二日目)10時22分 「なぜ本気を出さぬ?」 『魔神』は三〇メートル先に立つ白髪の少年に問いかけていた。 「…テメェこそなぜ本気を出さねェ。俺なんて秒殺だろうがよォ」 『一方通行(アクセラレータ)』は額に浮かぶ汗を拭った。 「余の遊戯だ。確かに貴様ごとき、一瞬で捻り殺すことはできるが、それでは余は満足できぬ。それに――――――――――」 ドン!!という爆音とまばゆい光にその声は遮られた。 粉塵爆発。 周辺に舞っている塵や埃を利用し、白髪の少年は一気に起爆させた。 己が身は「反射」を使い、無傷。 ベクトル操作で辺りの煙を吹き飛ばし、三〇メートル先に立つ少年の姿を見た。 「…チッ!」 『魔神』もまた、無傷だった。 「…ふむ。会話の途中とは頂けないな。『魔王』よ」 「その俺のアダ名は何とかナンねぇのか?そんな呼び方すンのはテメェだけだ」 「王は神になれない。人であるがゆえに、な」 「アァ?」 「これでも余は貴様を讃えているのだぞ?人の身で『神』の領域に踏み入った者への称号でな」 「テメェも人間だろうが。『ドラゴン』だか『魔神』だか知らねェが、見た目は『上条当麻』っつうフツーのコ―コーセーだろ。そんなテメェが人を見下してンじゃねぇよ」 「余より下等な生物を見下して何が悪い?」 「…テメェ!!」 「その憤りを払拭してみせよ、『魔王』。貴様に余を屈伏させるだけの力があったらの話だがな」 『魔神』が右手をかざした。 突如、轟音と共に爆風が吹き荒れる。 白髪の少年は一瞬で右方に逸れると、体中に触れた大気を操り、圧縮させる。 衝撃波。 秒速二〇〇メートルを超える風圧を『魔神』に向け、「反射」を使い、後方へと大きく距離を取った。 遮る壁や建物は周囲に存在しない。大気をコントロールし、『一方通行(アクセラレータ)』は上空五〇メートルに浮かぶ。 衝撃波が直撃した地面はアスファルトごと抉り取られ、砂埃が尾を引くように一〇〇メートル先まで舞っていた。 それでも『魔神』は無傷だった。 塵一つ、制服に付いていない。 『魔神』は平然と言葉を投げかける。 「分かったであろう?」 「ああ、テメェの能力は物体を消滅させる力だ。手をかざした瞬間に爆風が吹き荒れるのも説明がつく。テメェは手をかざした前方数百メートル直線上の物体を『大気ごと』消して、そン時の真空状態の空間に周囲の大気が入り込むから爆風が生じるんだろ」 「その通りだ。しかし、これは私、いや俺の能力と言った方がいいのか。『上条当麻』としての能力に過ぎん」 「…何だと?」 「貴様には全力を出せと言っておきながら余は鱗辺すら出していない。その無礼を詫びよう。本来の『余』の力を見せてやろうではないか」 白髪の少年は絶句した。 (あれが実力じゃないだと!?フザけんな!じゃあ一体…) 『魔神』は右手を白髪の少年に向けて突き出した。 「『現実守護(リアルディフェンダー)』、『幻想守護(イマジンディフェンダー)』を解放する」 パン!と『魔神』の右腕から服が弾け飛んだ。 右腕の端々から漆黒の『何か』が噴出し、右腕全体を覆い尽くし、腕よりも一回りも二回り大きく、黒い『何か』が渦巻いていた。禍々しい黒い『何か』はあるモノを形成する。 『竜王の顎(ドラゴンストライク)』 二メートルを超す巨大な漆黒の竜の頭部。竜の目が白髪の少年の目が合うなり、人間が飲み込めそうなほど大きな口を開け、竜の顎が地面に着いた。 「構えよ。『魔王』」 その言葉に『一方通行(アクセラレータ)』は戦慄した。喉が一瞬にして冷え上がる。 「――――――――――――――――――――――『竜王の殺息(ドラゴンブレス)』」 突如、辺りが眩い光に覆われた。大気圏すら突破する巨大な光線が、放たれた。 (二日目)10時28分 「知りたいですか?」 唐突な第三者の声に、御坂美琴と白井黒子は口を噤んだ。 声の聞こえた方向に目をやると、一人の少女が立っていた。 絹のように麗しい漆黒の長髪に、深遠な黒い眼差し。それとは対照的に透き通るような白い肌。黒一色のコートを羽織る長点上機学園の女子生徒。 名を至宝院久蘭。長点上機学園高等部一年生。御坂美琴と同位にたつ『超能力者(レベル5)』の第三位。 「お姉様!?」「久蘭お姉様!?」「ああ、何とお美しい!」「あれが久蘭お姉様…」「長点上機学園の制服もお似合いで…」などと周囲の常盤台中学の女子生徒から黄色い声が上がった。 「皆、お下がりなさい」 その言葉一つで、騒ぎ立てる常盤台中学の生徒を制した。 熱い眼差しを送りつつも、無言で久蘭にお辞儀をして身を引く女子生徒たち。 「今、外では大規模な戦闘が展開されています」 「魔術側との戦い?…もしかして、また『戦争』を起こす気なの!?魔術師達は!」 「いいえ」 「これはたった二人の能力者の戦いです」 「『絶対能力者(レベル6)』同士の争い。それはもはや喧嘩と呼べるものでありません」 「これは――――――――――――――――――――――――――――――『戦争』です」 御坂美琴は至宝院久蘭に目を向けた。 全てを飲み込むような漆黒の瞳。彼女の眼を見ていると、心の全てを見透かされるような感覚に捕らわれてしまう。 実際に、その通りなのである。 「これから当麻様のところへ赴くのでしょう?」 久蘭は微笑みを讃え、軽く首を傾けた。じっと御坂美琴を見続けていた。 「…ええ」 御坂美琴は、強い意志が宿った表情で頷いた。 「お、お姉様?正気ですか!?外は今、『第一級警報(コードレッド)』が敷かれていますのよ!?それを無視すれば反省文どころでは済みませんわ!」 ツインテールの少女が揺れた。愛しのお姉様の行動が理解できなかったのだ。確かに彼女の心中は痛いほど分かる。しかし、いくら彼女が『超能力者(レベル5)』の第一位と言えど、相手はお姉様の恋人であり、また学園都市最強の『絶対能力者(レベル6)』である少年。その上、今回の出来事は私情を挟めるレベルでは無い。 そもそも『絶対能力者(レベル6)』と『超能力者(レベル5)』が別々に順位を付けられている時点で、両者には絶対的な隔たりがあるのだ。 久蘭が言う『戦争』という言葉も決して的外れな表現では無い。 半年前に起こった魔術側との『戦争』を食い止めたのは他ならぬ『絶対能力者(レベル6)』の上条当麻なのである。『一方通行(アクセラレータ)』を含めた『絶対能力者(レベル6)』の二人無くしては、先の『戦争』は停戦どころか『学園都市』側の敗北を喫していたのかもしれないのだ。たった二人で、学園都市に匹敵する大勢力と渡り合える力を持つ能力者(カイブツ)。その二人の争いの中に飛び込んでいくことなど自殺行為に等しい。 今年になって発表された『絶対能力者(レベル6)』の存在に、今一つ実感が湧かない大多数の人間よりも、上条当麻の実力を目の当たりにしている彼女だからこそ、そのことは誰よりも理解しているはずなのである。それを踏まえた上で、彼女は愛する者の所へ赴こうとしている。 彼女の心情を一番に理解していたのは、彼女を慕う白井黒子ではなく、同じ男性を愛する至宝院久蘭だった。 至宝院久蘭は御坂美琴に彼女が着ていたコートを羽織らせた。 「これを…」 「!!これって」 久蘭が常磐台中学に在籍していた時からいつも着用していたコート。地面に付きそうなくらい長いコートであり、見方によってはマントにも見える。彼女にとってこれがどのような物かを、どれだけ大切な物なのかを、御坂美琴は知っていた。 「美琴さんにはあまり必要ないかもしれませんけど、少しはお役にたてるかと思います」 「受け取れるワケ無いじゃない!これは…」 「平気ですよ。もう一着ありますから」 「…はい?」 いつの間にか久蘭の隣には、黒いコートを携えた栗色のウエーブのかかった髪の常盤台の二年生、剣多風水が立っていた。彼女もまた、久蘭と同じ黒いコートを制服の上に着用している。 「お姉様、これを」 久蘭は絹のように美しい長髪を掻きあげ、前に下ろすと、風水は久蘭の後ろに回ってコートを羽織らせた。たとえ学校が離れようとも、久蘭派閥を二代目の当主となった風水は、いつまでも久蘭の従順な僕であり続けるらしい。 「ありがとう。風水」 久蘭は風水の手をとり、手の甲に軽くキスをした。ボン!と茹でタコのように顔を真っ赤にする剣多風水。 その光景を薄い目で見つめる御坂美琴と目を輝かせて凝視する白井黒子。 「実は、これがわたくしのです。美琴さんが着ているのはわたくしが特注して作らせたもの。サイズはどうですか?合っているでしょう?」 そう言われてみれば、と御坂は思った。久蘭は御坂美琴より5センチほど身長が低い。久蘭に合わせて作られたのなら、若干小さく感じるはずだ。だが、自分が着てみて何の違和感も無かった。 いつ自分のサイズを知り得たのか、などとは聞くだけ無駄なのである。久蘭の持つ情報力に呆れる御坂美琴だった。 「心配してくれてありがとう、美琴さん。私はもう大丈夫だから…受け取ってくれるかしら?」 「…本当に、いいの?」 「ええ。それは貴女のために用意したんですから。そのコートも、美琴さんのことを気に入ってくれるわ」 至宝院久蘭の『お姉様』としてでは無く、『友人』としての笑顔。それに御坂も友人としての笑顔で答えた。 「ありがとう、久蘭。大切にするわ」 「そうでないと困ります。一着一〇〇〇万程しましたから♪」 ぶっ!と予想以上の値段に御坂美琴は吹いた。 「ちょ、これ!そんなにするの!?」 「ええ、デザインだけではなく、本来の役割もきちんと担っていますのでご安心くださいな。『命』はお金では買えませんから」 「…サラリとへヴィなことを言うわね」 美琴は若干頬を引きつらせつつも、笑顔を崩さない。ツインテールの少女は「これが一〇〇〇万もしますの?」と、目を丸くして、三人が羽織っているマントのように長い漆黒のコートを交互に眺めていた。 「美琴さんと当麻様はわたくしの命の恩人。あの時の借りはこれで返上ですわね」 御坂は袖を通すと、その場で一回転した。くるりとコートが靡く様は、常盤台中学で培われた御坂美琴の高貴さに、より一層、箔がついているように思われる。 「これ、似合うかしら?」 等身大の鏡が無く、自身の様子が分からない御坂は少しばかり恥ずかしがっていた。一般的に見ればよく似合っているのだが、自分自身で確認できなければ、やはり落ち着かないものである。周囲の常盤台生からも熱が籠った視線を浴びる。 「ええ、とっても。よくお似合いですわ」 「そ、そう?」 「…御坂女王様、とお呼びしてもよろしいですか?お姉様。というかわたくしの携帯の待ち受けにしてもよろしいですかよろしいですね!?」 「…私の寝顔の待ち受けよりはマシだからね。あとで写メ見せてよ」 カシャカシャカシャ!とあらゆる角度から撮り続けるツインテールの少女。また数人の常盤台生も御坂の姿を携帯で撮影していた。御坂美琴は白井を無視して、一番近くにいた金髪の常磐台生に話しかける。 「ねえ、さっき撮った画像、見せてくれる?」 御坂に突然話しかけられた女子は、慌ててペコリと頭を下げ、両手でゲコ太ストラップが付いたピンク色の携帯を献上した。 「え?あ、はい!どうぞ!」 手渡された携帯を御坂は覗き込んだ。先ほど撮られた画像を見て、少し首をかしげる。 「…うーん。なんか私のキャラと合ってないような気がするんだけど……やっぱりこれ、似合わないわよね?」 それを聞いた女子生徒は、両手でブンブン!と手を振りながら、御坂の意見を否定した。 「そ、そんなことありません!すごくお似合いですよ!久蘭お姉様に風水お姉様、それに御坂お姉様が並ぶとまさに壮観です!」 「そう?ありがと♪」 御坂はそう言って、携帯電話を返した。携帯を受け取った少女が緊張しているのは丸分かりである。そんな態度を見て、御坂は苦笑いをした。 彼女は分け隔てなく生徒に接しているつもりなのだが、学園都市第一位というレッテルが 「お、お姉様!すでに三〇枚は撮りましたのよ!ああ~!もうこれは黒子の週刊お姉様ベストショット10に堂々のランキング入りですわ!」 「……そう。よかったわね」 ツッコミたい衝動に駆られた御坂だったが、これ以上彼女に言及すると、愛しのお姉様について熱く語り出すのは目に見えていたので、何とか押し留まった。 二人のやり取りを見ていた久蘭は、一言、口にした。 「さてと、では美琴さんには一体何をしてもらいましょうか?」 「はい?」 久蘭の発言に首を傾げる御坂美琴。そんな美琴の表情に、久蘭はよりいっそう笑みを浮かべた。 「美琴さんにあるわたくしの『貸し』についてですわ」 「……お姉様?私、いつ貴女に貸しをつくりましたっけ?」 「あら?先ほどの情報料は別枠でしてよ?」 「何の屁理屈ですか?久蘭お姉様。わたし、そんなことで借りを作ったなんて認めませんわよ」 御坂の額に嫌な汗が流れ落ちる。含み笑いを浮かべる意地悪い笑顔。こういう表情をしている久蘭は手に負えない。 「そんなことをおっしゃってもよろしいのかしらー?美琴さん?」 「な、なんのことかしら?」 久蘭は美琴の傍に駆け寄り、そっと耳打ちする。 「大覇星祭の三日目の昼休みと五日目の夜…」 「っ!!!」 御坂美琴は絶句した。 「…の時のことは黙っておいて差し上げますわ」 「な、な、な…」 「……当麻様って、コスチュームよりもシチュエーションにこだわるのかしら?」 「ぜーったい、黙っときなさいよアンタ!!も、ももももしその事を誰かに告げ口したら…」 「分かってますわよ。『可愛い可愛い美琴』さ・ん?」 唇を大きく裂いて悪質な笑顔を作る久蘭。もはや御坂になす術は無かった。一番の弱みを握られてしまった。一番握られたくないヤツに。 「…この借りはいずれ返すわ。久・蘭・お・姉・様?」 「では、当麻様とのデート一回で手を打ちましょう♪」 ビキリ!と眉間にしわを寄せる御坂美琴。 「おーねえーさまー?…まだあきらめてないんですかー?私と当麻は…」 「うふ♪わたくし、他の女性と肉体関係を持ったところで諦めるような恋をした覚えはないですので♪」 正々堂々と、満面の笑顔で久蘭は試合続行宣言をした。 「なっっ―――ッ!!?」 強烈な爆弾宣言に絶句する御坂美琴。「に、肉体関係?み、御坂お姉様が?」などと顔を真っ赤にして剣多風水は呟いていた。箱入り娘の彼女にとっては刺激が強すぎる内容だったらしい。 言葉を詰まらせる御坂を見据え、久蘭は真剣な表情で、その場の空気を破った。 「でも、今、当麻様に何かしてあげられるのは他ならぬ貴女だけです」 鋭い視線が御坂美琴を射抜く。ハッと我に返った御坂はその視線を真っ向から受け止めた。 「ですから、お願いします」 久蘭は大きく頭を下げた。 周囲の常盤台生はギョッとした。 常盤台中学を卒業してもなおその名前と影響力がある久蘭お姉様が、学年が一つ下の御坂美琴に頭を下げているのだ。その異様さに皆は動揺を隠しきれなかった。 「…頭をお上げください。久蘭、お姉様」 久蘭の深淵な黒い瞳が、美琴の顔じっとを見つめる。 御坂は久蘭に何と言葉をかけていいか思いつかなった。 そんな思いは久蘭の声に遮られる。 「風水」 「はい。お姉様」 「協力してくれるわよね?」 「もちろんです」 背後で風水は了解の会釈をする。 「今から、常盤台中学の生徒と教職員に『御坂さんはずっとここに居た』という暗示をかけます。風水の派閥の方々は協力してくれるので操作はしませんが、いいかしら?」 「…ええ、お願いするわ」 「これで当麻様は一日中ずっと貸していただきますので♪」 「ぐっ!」と、歯ぎしりする御坂美琴。 「それで、黒子さんはどうします?」 美琴、久蘭、風水の三人の視線が白井に集まった。 やれやれ、と白井はため息をつくと当たり前のように返事をした。 「何を言っていますの?わたくしも行くに決まってるじゃありませんか。久蘭お姉様」 「黒子…アンタ、分かってんの?」 行動を共にすれば、間違いなく白井黒子は『風紀委員(ジャッジメント)』を辞めなければならなくなる。だが、白井黒子に迷いは無い。 「わたくしはどんな事があろうともお姉様についていきます。お姉様の傍が、わたくしの居場所ですから」 ストレートすぎる黒子の言葉に、御坂は今更ながら黒子の存在の大きさを実感した。久蘭と風水も目を見合わせて微笑んでいる。 「…ありがとう。黒子」 「では、お姉様とのデート一回で手を打ちましょう♪」 予想通りの反応に、御坂美琴は大きなため息をついた。けれど今回は仕方がない。自分のワガママに付き合ってくれるのだ。いざという時に頼りになる後輩に、美琴は笑顔で返事をした。 「…分かったわ。約束するわよ」 ポカン、と。白井は口を開けて、お姉様を見つめた。 思いもよらぬOKの返事にワナワナと体を振るわせ、キラキラと瞳を輝かせる白井黒子。 「ほ、ほほほほ本当ですのお姉様!?うふえへあはー!!夜は絶ーっ対、お姉様を寝かせたりはしませんわよ!覚悟してくださいませ!」 「な、何をする気なの!?黒子!あんまりベタベタすると電撃喰らわせるわよ!」 「あらー?当麻さんにはあんなことやこんなことをされても文句一つも言わないのに、私にはスキンシップも制限されますのーん?」 「…別にいいじゃない。付き合ってるんだから」 御坂美琴は頬を真っ赤に染めながら、黒子と目を逸らした。 お姉様の反応から分かる想定外の新事実に、白井黒子は愕然とする。 「って、お姉様ああああああああああ!?カマかけてみただけなのに、も、もうそこまで進展してますの!?あんなことや?こんなことまで!?」 ツインテールの少女の脳内では、「当麻…」「美琴…」などと名前を呼び合い、愛を確かめ合う二人。お姉様は何故か『堕天使エロメイド服』を着用しており、「これ、洗うの大変なんだからね!」と、頬を赤く染めるお姉様に、上条当麻は「へっへっへ。まあ、いいじゃないかぁ★」と、ビリビリと服をやぶ(自主規制)。 ブチッ!と、 白井の頭の中で何かが切れる音がした。 「フッ、あンの若造が!!きいいいいいいいいっ!もう『絶対能力者(レベル6)』なんて関係ありませんわ!第一七七支部の『風紀委員(ジャッジメント)』ことこの白井黒子が不純異性交遊の罪で抹殺(ころ)します!! さあ!行きますわよ、お姉様!!首を洗って待っていやがれですの!!よくもお姉様をおおおおおおおおおおおおおおお!!」 「ちょ、ちょっと!黒子ってば、待ちなさいよー!!」 鬼のような形相で『空間移動(テレポート)』をしながら、いち早く非常エレベータに向かう白井。御坂は慌てて彼女の後を追った。
https://w.atwiki.jp/harrynovel/pages/16.html
ハリー・ポッターの海外ファンフィクションの感想ページです。ブログ 連載中の作品